【特集】 萩のパン屋 「yuQuri」
ゆくりは縁(ゆかり)。様々な大切なご縁が広がり今がある……yuQuriオーナー中原昌代さん
チクタクとネジ巻き時計の音が店内に響く。2015年7月31日yuQuriがオープンした日、そのネジ巻き時計は動き出しました。
初めてお会いした中原さんの笑顔はどこか懐かしく、そこに重なる律動的な時計音は心地良い。
長門市で生まれ育ち、京都で就職されていた中原さん。
その後、萩に戻られ福祉施設のお仕事をされていた中で、菓子製造事業をすることとなりました。
施設の利用者さんが楽しんでできる菓子製造の事業をしようと挑戦した中で、パン作りにはまり10年を経て、本格的にパン作りをするか、そのまま福祉施設でのお仕事を続けるか悩まれ、最終的にパン屋さんをオープンすることに。
萩の蜂蜜や夏みかん、長門の塩など地元の食材を使用したパンはどのパンも大人気です。
11時にオープンしてランチタイムが終わる頃には殆どのパンが売り切れてしまいます。
中原さんのパンが何故こんなに愛されているのか?そこを紐解きたく秘訣をお伺いしてみました。
「パンに使う野菜などの生産者さんとの繋がりを大切にしています。畑へも行ったりしますよ。実際に行って見るとお話だけでは分からないことを知ることができます。そして感じたことをSNSを通してお客様に伝えています。」
生産者さんを大切にするのは食材を大切に考えているから。
そこには使う食材の安全性をしっかりとご自身で確認されているという事で、結局はお客様の口に入る物に対する責任感の強さなんだなと感じました。
季節のイベントに合わせた商品を作るのではなく、その時々の旬の食材を生かした商品作りを心がけていらっしゃると言うのもまた食材を大切にする気持ちが表れています。
これからの目標を尋ねると
「外出が難しい高齢者の方に移動販売で定期的にパンを届けられるようになること。一人暮らしの方に毎月パンが届く日を楽しみにして貰えるようになれば嬉しい。」
福祉のお仕事に携わっていたからこそのお話しに、じんわりと温かい気持ちになります。
それと同じように町内の繋がりを大切にしたいとお話してくださいました。
1人では心細いですが、地元の方が応援してくださるので、それが何よりも励みになりやり甲斐が増すそうです。
これからもっと地域に根ざしていきたいとのことでした。
この日、できあがったばかりの新商品『魚カツドッグ』は市内にある忠小兵衛蒲鉾さんとのコラボ商品です。
蒲鉾のすり身を揚げた魚カツに萩産キュウリのピクルス、クリームチーズに夏みかんを混ぜ込んだ組み合わせがとても新鮮なドッグ。(季節によりお野菜は変更あり)
様々なご縁が広がりオープンしたyuQuri。
チクタクチクタク、ネジ巻き時計の音と共に今日も焦らずゆっくりと、素敵なご縁が広がっていきますように。
店舗情報
yuQuri
〒758-0044 山口県萩市唐樋町9
電話番号 0838-21-7789
営業時間 11:00-18:00
定休日 日•月•火