【特集】萩のカフェ「指月茶寮 (しづきさりょう)」
萩の城下町、呉服町で2011年2月のオープンからこだわりの料理と紅茶を提供し続ける「指月茶寮 (しづきさりょう)」。オーナーの奥様にお話を伺いました。
ご出身はどちらですか?
北九州です。高杉晋作が好きな夫と、萩に何度も遊びに来ていました。高杉晋作の生誕地すぐ側のこの店舗がたまたま空いていて、カフェをオープンするにも場所が良いと、見つけたその日に即決しました。
お店のコンセプトを教えてください。
和を中心にして、でも古っぽくもない。「和モダン」を基調としたカフェです。内装のデザインやインテリアなど、全部夫が考えてリノベーションしました。以前、広告関係の仕事で店舗のデザインに携わったこともあり、何かを計画し、作ることは慣れていたのではないでしょうか。夫がオーナーで私はお料理担当です。
観光客として萩に来ていたときに、お料理の値段が高く感じられました。萩の食材を使ったメニューをよりリーズナブルに、普段食べられるものとしてお客様に提供したい。オープン当時から今も変わらないコンセプトです。
お料理のこだわりを教えてください。
指月ランチ、スコーンやキッシュが好評です。その時の温度によってお客様の食べたいものが違います。指月ランチは主に萩産食材を使って作り、メイン料理は季節によって変えます。
スコーンは、子供が通った学校の先輩がイギリスの方と結婚して、おうちで習ったレシピをいただいて作りました。イギリスに行ったことのあるお客様が来られて「あら、懐かしい味」とおっしゃるので、現地の定番の味をここで味わっていただけるのではないでしょうか。
キッシュに入るメインの食材は、その時一番旬のものを使えるように。冬場でしたら、ホウレンソウやブロッコリー、季節によってはキノコが入ります。ホウレンソウが皆さん、オーソドックスにお好きです。年間を通して手に入りやすい食材ですしね。生地も手作りで、小麦粉とアーモンドパウダーの配合は他にはない、ここ独自のものです。
夏みかんのチーズケーキは、皮ごと煮て完全に潰した夏みかんをチーズケーキに混ぜ込んで作ります。シーズンにより、ストックが無くなり次第終了です。
アフタヌーンティーセットは、前日までにご予約のお客様にお作りします。本場イギリスで定番の刻みキュウリのサンドイッチ、「キューカンバーサンドイッチ」に加え、「スモークサーモンとチーズのサンドイッチ」の2種類をお出しします。サイドメニューにキッシュとサラダ、デザートには果物と小さなスイーツが付きます。アフタヌーンティーが取り沙汰されるようになる前から、ここ萩で提供してきました。
紅茶の種類が豊富ですね。
香りが分かるようにと茶葉のサンプルを作って、少し出しています。もともと趣味で紅茶が好きな私が淹れます。紅茶の色の映りを楽しめるよう、ティーカップで。夫がこだわるコーヒーは萩焼の器でお出しします。
これは「マリアージュフレール」のオペラブルーというフランスの紅茶で、緑に近いブルーの色が出ます。
紅茶の楽しみ方を教えてください。
紅茶は自分が好きなように飲むのが一番です。ただ、飲み方の組み合わせで合う、合わないがあります。単品で紅茶を味わっていただく分にはどんな茶葉でもいいのですが、ミルクティーには色が濃く出る香りの強い茶葉を選びます。茶葉が年3回採れるダージリンのファーストフラッシュは、日本でいう新茶です。色が薄いので、ミルクが茶葉本来の香りと色を吸収してしまうため、ミルクティーには向きません。ダージリンをどうしても使いたいときは2回目の夏摘み、セカンドフラッシュや3回目のオータムナルをおすすめします。
お客様に喜ばれそうですね。
ご予約のお客様は女性の方が多いです。海外から萩に観光のお客様では、フランスの方がよくここで紅茶を飲んで行かれていました。ティーポットはマリアージュフレール銀座本店のサロン・ド・テで使用されているものです。中が保温になっていて冷めにくいんです。
マイセンのティーカップが好きで、誕生日に自分へのプレゼントとして集めていました。こちらに飾ってあるスイートピーとチューリップのデザインのティーカップは、マイセン300周年記念のときに手に入れました。世界でも数量限定です。
テラス席では指月山や萩の自然を愛でながら、ペットと一緒に食事を楽しむ事もできます。和モダンの落ち着いた空間で、お好みのフレーバーティをお楽しみください!
店舗情報については
⇒食べる/指月茶寮をご覧ください。