【特集】 萩のスイーツ店 「うきしま工房」
「あれこれやるよりひとつの商品にこだわり勝負しようと思った」萩で50年以上愛され続けた神戸屋のシュークリーム「伝説の生シュー」を復活させた男。うきしま工房 パティシエ古川毅さん
誰にでもある子供の頃に食べていた懐かしいお菓子。味覚とは不思議なもので一口食べると様々な記憶が蘇り、一気に当時にタイムスリップできるような感覚になるものです。
忘れかけていたことを思い出せたり、胸が熱くなったり、甘酸っぱい気持ちになったり…でも、時代は変わり思い出のお菓子が無くなってしまった。お菓子の味も記憶の奥にしまわれ、もう二度と食べられないと諦めていた…そんなお菓子が復活したら?
「昔はきっと浜辺で潮が満ちたり引いたりして浮島のように見えていたんだと思います。この辺りの地名が浮島と言うのはきっとそうだったからだと思うんです。以前はお店の前に『うきしま』というバス停もあったんですよ。」
店名の由来を尋ねるとそう教えてくださいました。
古川さんはお父様がパティシエだったことから子供の頃から洋菓子のある環境で育ったそうです。
「当時、ケーキといえばまだバタークリームで生クリームは珍しかったんです。」
お父様のお店『神戸屋』は地元なら知らない人はいないほど生シュークリームで有名な洋菓子店でした。
ところが、その頃萩市にはケーキやパンのお店が7~8店舗もあり、商売はなかなか難しかったそうで残念ながらお父様はお店を閉めることとなりました。
しかし、そのお味の根強いファンは多く、「あの生シューをまた食べたい!」と言う地元の方からの熱いご要望で2014年に毅さんが今の『うきしま工房』をオープン。
オープンにあたっては市内にある『ちょんまげビール』の岸田商会さんのご協力があったそうですが、その岸田商会の社長さんもまた『神戸屋』の大ファンだったそうで「是非、復活して欲しい!」と熱望されたそうです。
古川さんは東京自由が丘の『モンブラン』や横浜の『ストラスブール』等にて修行され、萩に戻られてから創業する際「定番や型にはまらない、素材にこだわりシンプルだが丁寧に作る」という信念でお父様の味を引き継がれ、大人気だった生シューを復活させました。
待ちに待った「伝説の生シュー」の復活にたくさんの地元の方が喜ばれた事でしょう。懐かしく食べ慣れた思い出の味です。
皆さんが、どんな想いを馳せながら召し上がっていらっしゃるのか気になるところです。
お父様の時代のお客様も、今そしてこれからの毅さんのお客様も生シューにたくさんの思い出を重ねていかれることでしょう。
生シューはプレーンの他、季節毎に萩の果物を使って「梨」「カボチャ」「リンゴ」そして市内の榎谷農園さんの美味しい「苺」などの限定シューも大人気です。
クリスマスにはデコレーションケーキも登場します!
店舗情報
うきしま工房
〒758-0025 山口県萩市土原609-1
電話番号(0838)22-0545
営業時間
9:00-18:30
(※なくなり次第、閉店します)
定休日 水 (祝日営業、翌日休)