萩のつくり手 <第14回>
「萩ミート販売」 岡崎 健志(おかざき たけし)さん

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山口県トップクラスの評価を得ている萩市を代表するブランド牛「長萩和牛」。取材で訪れた牧場には、牛が自由に過ごせる広大な牧草地が広がっていました。今回は、長萩和牛を販売されている(有)萩ミート販売 取締役 岡崎 健志さんにお話を伺いました。

どちらのご出身ですか?

萩市で生まれて、高校はサッカーで宮崎県に進学しましたが、サッカー以外で卒業後の進路を考えていた時に、ハワイに住んでいた姉に話を聞いていて興味があったので、ハワイの大学に行くことにしました。

ハワイでの生活はいかがでしたか?

温暖な気候で過ごしやすく、友達もたくさんいて充実していました。楽しかったので大学卒業後もハワイに残り、スポーツアカデミーで3歳から15歳までの子供たちのサッカー指導を約9年間していました。

萩市に戻り、家業を継ぐことを決断された経緯を教えて下さい。

創業者である父からは会社を継いで欲しいと言われたことはありませんでしたが、小さい頃から働く父の姿を見て憧れていたので、漠然とですが「いつか継ぐだろう」とずっと思っていました。また、当時は深く考えていませんでしたが、ハワイのスーパーなどで肉の産地や品質が気になったりしていて…今思うと意識していたのかもしれませんね。生活は楽しく充実していましたが、同時にぬるま湯に浸かっているような気もしていて、このままで良いのかな?という疑問はいつもありました。そんな時、両親がハワイに来て「これから新規事業で拡大し従業員も増員していく計画がある」と話してくれたタイミングで、ビザの更新時期だったこともあり、萩市に戻ろうと思いました。

 

環境が変わることに不安はなかったですか?

不安はありましたが、ずっと日本に帰っていなかったので、帰国することが楽しみであり、ワクワクする気持ちの方が強かったです。

家業とはいえ、ゼロからのスタートだったと思いますが、どのように学ばれていきましたか?

まず、取り扱っている商品を知るために、長萩和牛の牧場に4か月間、研修に入りました。その後、肉のカット法を学ぶために、6か月間北九州へ行き研修しました。他には運送の仕組みや道順を学ぶために、運送会社でも働きました。さらに加工商品など物作りの本質を学ぶために、3か月ほどですが、住み込みで澄川酒造でも働かせていただきました。

 

現在はどんなお仕事をされているのですか?

肉の卸と、加工品の生産をしています。ハンバーグは自社で生産しています。

大好評のハンバーグに使われているのは長萩和牛ですか?

ハンバーグは、長萩和牛、むつみ豚、長州鶏、秋吉高原牛(合挽き)の4種類あります。1頭買いなので、売れる部位と売れない部位が出てきます。売れない部位を加工品にするなどして、どうすれば売れる商品になるのかというのが永遠のテーマです。

やりがいのあるところは、どんなことですか?

長萩和牛・むつみ豚は、生産している場所が1か所なので、生産者の顔が見えやすいという利点があります。牧場見学を希望されるお客様が多く、そのことを生産者側に伝えると、とても喜ばれます。そういう引き合わせができることが嬉しいです。

 

長萩和牛の特徴を教えて下さい。

脂の質が上質です!1口食べて頂くと美味しさを分かっていただけます。

長萩和牛というブランド名は、どなたが考えられたのですか?

父が考えました。萩で生まれて萩で育った牛なので「萩」という字を使いたかったようです。長萩和牛を肥育しているのは、昭和53年に任意組合として100頭の無角和牛肥育からスタートした長沢台生産組合です。飼養管理を徹底すること、繁殖・出産・肥育の全てを一貫管理することなどで国内最高級格付けされ、2016年に開催された日ロ首脳会談のディナーで使っていただけたことから、そこから幅広く認知されるようになりました。

現在、牧場には何頭くらいの長萩和牛が肥育されているのですか?

380頭います。雄と雌で囲いを分けています。後半4頭ずつのグループに分けますが、どうしても雄の方が気性が荒く喧嘩になりやすいので、その際性格を見てグループ分けしています。28か月で出荷になります。

雄と雌の肉質の違いを教えて下さい。

全く同じエサで育てても、雌の方が霜降、雄は赤身というのが特徴ですね。

これから挑戦したいことはありますか?

5年に1度、全国和牛能力共進会※という和牛のオリンピックがあるのですが、次は2022年10月の鹿児島です。「長萩和牛」を生産している農事組合法人・長沢台生産組合として参加します。参加するのは来年で2度目になります。優勝したいですね。

 

※「全国和牛能力共進会」全国和牛登録協会が主催し、5年に1度、全国持ち回りで開催される和牛の品評会。「種牛の部」と「肉牛の部」からなり、全国から約500頭の牛が集結する。

これからの展開を教えてください。

これまで、ホテルや飲食店関係とのお取引きが、売り上げの大半になっていたため、このコロナ禍によってかなりダメージを受けました。でも、そこから学ぶことも多く、これからは一般消費者様にもお届けできるように、ECサイトを充実させたり、または直接繋がれるように、お店での販売も検討しています。それに合わせて、都市部の新規販路獲得にも挑戦していこうと検討しています。

萩ミート販売さんが大事にされていることは何ですか?

肉(商品)を通して生産者、お客様、従業員など全員が幸せになれるように考えています。

 

 

萩ミート販売では、ご家庭で召し上がれる焼肉セットなどをご用意しています。詳細は

⇒買う/萩ミート販売をご覧ください。

 

基本情報

会社名又は個人名 有限会社 萩ミート販売
住所 〒754-0411 山口県萩市大字明木3701番地1
電話番号 0838-55-0298
URL https://hagimeat.com/
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