米農業と服飾業、2足の草鞋でイケてる農家モデルの見本を目指す ~大協テックス株式会社  原 尚豪さん~

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                               +撮影+ 萩市地域おこし協力隊 上田 晃司

どちらで育ちましたか?

高校卒業まで萩市田万川です。その後、大阪の大学に進学しました。

大阪の大学に決めた理由を教えて下さい。

女の子が話す関西弁が可愛かったからです(笑)

そのまま大阪で就職されたのですか?

卒業後に一度、山口県に戻り野菜の粉末の製造・営業をしていたのですが、洋服が好きでやはり服飾業界で働きたいと思い、再び大阪に行って現在も働いています大協テックス※に入社しました。販売よりも洋服を作る工程に興味があったので、テキスタイル(布製品における生地や柄)の企画をし、工場で加工したものをメーカーに卸す業務に就きました。

※大協テックス株式会社…衣料用生地(繊維)の企画販売会社で自社工場で製作した生地を国内外へ提供している。

アパレル業界に身を置かれていた中、米農家を志すきっかけは何だったのですか?

業界に入る時に決めていた目標を達成した時、「これから何をしよう。」と、次にすることを考えました。ちょうどそのタイミングで、社内向けに「イノベーションアワード」という社員が発案する企画取り組みが発表されたので、そこに乗っかって新事業として、服飾以外の何かに打ち込んでみようと思いました。2017年のことです。服飾業と農業での2足の草鞋で、カッコいい農家を目指す取り組みとして米作りで応募して、1年間はずっとプレゼンの日々でした。2018年から具現化するために動き始め、2019年に山口県に戻り本格的な米作りをスタートしました。

+撮影+ 萩市地域おこし協力隊 上田 晃司

なぜ米作り企画で応募しようと思ったのですか?

理由はいろいろありますが、今作っている「上田万の米が本当に美味しい!」と思ったからです。贔屓目もあるかもしれませんが、こんなに美味しい米があまり売れていないことや、後継者不足で困っていることを父から聞かされていて、この米が「このままだと食べられなくなってしまう」と残念に思い、やってみることにしました。いつかは地元に戻りたいという気持ちもありましたし、大阪で地震や台風の災害に遭った時に、都会の危うさを痛感したのも大きな理由の一つです。自然がいっぱいあるところで子供を育てたいとも思っていました。

ご家族は米農家ですか?

祖父が家族が食べる米を作っていますが、米農家ではありません。父もJAの職員ですが米農家ではありません。ファーマーズの立ち上げに関わったりはしていたようです。

では、どうやって米作りを学ばれたのですか?

地元の米作りの大先輩から、直接聞きメモに残して実践しました。予想以上に作業は大変でしたよ。農家さんは、夏場の暑い時は熱中症を避けるために作業はしません。でも、私は一人で米作りをしているため、その時もします。休めないです。他にもたくさんある過程の中で一番大変なのは草刈りです。今年は※5ヘクタールを草刈りするので、体も機械も無理が来ています(笑)。また、はじめたばかりで機械を購入する余裕がないので、精米した米の選別も手作業で行っています。それも、良い米を作るためにも必要なことなので、早く機械を購入して自動化できるようにしたいですね。

※5ヘクタール…サッカー場7個分の広さ

+撮影+ 萩市地域おこし協力隊 上田 晃司

一日の作業時間はどのくらいですか?

季節によって変わりますが、だいたい7時から17時くらいまでがお米の作業です。それから家に帰り、18時くらいから21時くらいまで夕飯を食べたり家族と過ごして、21時から24時まで服の仕事をしています。自由な時間はあまりありませんが、米作りも服の仕事もどちらも好きなので苦にはなりません。これでも趣味のサーフィンを通勤途中にできたりするので最高です。ただ、せっかく良い波がある日でも、米作りが忙しい時期は、海に入りたい気持ちをグッと抑えて田んぼに入ります(笑)。

2019年に未経験で米作りをスタートされた時に不安はなかったですか?

もちろん不安はありました。でも、もともと考えるよりも行動するタイプなので「できる」と思う気持ちが勝っていました。

どのくらいの米を収穫したのですか?

1年目は、1.8ヘクタールでコシヒカリのみを約2t収穫しました。昨年の2年目は4ヘクタールでコシヒカリとモチ米、きぬむすめ、ミルキークイーンを合わせて6t収穫しました。はじめて収穫した米は妻に食べてもらうことに決めていました。妻から「美味しい!」と言って貰えて本当に嬉しかったです。もちろん自分でも食べましたが、格別に美味しかったです。

+撮影+ 萩市地域おこし協力隊 上田 晃司

今後の展開を教えて下さい。

米作りでは、会社との約束で5年以内に黒字化するのが目標です。その後はさらに飛躍させるため、海外への販路拡大も実現させたいです。服に関しては、オーガニック製品制作の実験として藁で生地を作っています。これは海外では食品だけではなく、アパレルもオーガニックであることが必要とされているためです。知人の紡績会社ではパイナップルやバナナなどで糸を作っているのですが、それに比べても難しい藁で「Made in 萩」の服を作りたいです。

作業着にもこだわりがありますか?

トラクターを運転する時は、サングラスにデニムです。サングラスは、日中日差しが強く眩しいからしているのですが、きっと周囲からは「格好つけ」でしていると思われているのでしょうね。(笑)

上田万のお米の特徴を教えてください。

「食べたらわかる美味しい米」です!それぞれの味の特徴をお伝えすると、コシヒカリは白さ・艶・甘みにおいて群を抜いています。ミルキークィーンは、コシヒカリと比べると粘り気が強く、もちもちした食感が特徴で、冷めても美味しいのでお弁当に最適な米です。きぬむすめはコシヒカリと比べるとあっさりした味で、すし飯などに適しています。

+撮影+ 萩市地域おこし協力隊 上田 晃司

 

上田万地区の名前をブランド名にした「KAMITAMA RICE」。自然との共存を目指し、極力肥料(科学)を入れないで、上田万の土地の土壌を活かした栽培方法で米作りをされている原さんの田んぼには毎年ホウネンエビ※が出ている。コシヒカリとミルキークィーンは、粘り気が強いので少なめの水で炊くのがお勧めだそうです。

 

※ホウネンエビ…水田などに発生する小型の甲殻類で、たくさん発生した年は豊年になるとの伝承からこの名になった。

基本情報

会社名又は個人名 大協テックス株式会社萩支店
住所 山口県萩市安古町258-5
電話番号 090-6910-9852
URL https://www.kamitama_rice.com/
販売場所 KAMITAMA RICE オンラインショップ/萩往還

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