萩のつくり手 <第3回>
萩のストロベリーファーム「榎谷農園」 榎谷 紘司(えのきだに こうじ)さん

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榎谷農園/榎谷 紘司さん

「榎谷さんのイチゴは美味しい」飲食店さんの取材中、あちらこちらで何度も聞いていた声。
榎谷さんのイチゴが出荷されるのに合わせて商品を作っておられるパティシエさんさえいらっしゃる程です。

一般の消費者の方は勿論、プロの方たちからこんなにも愛されているイチゴとは、一体どんなイチゴなのだろう? そして、そんなイチゴを生産されている榎谷さんってどんな人?
まるで前評判のすこぶる良い映画を観に行くような気持ちで、榎谷農園さんへお邪魔しました。

秋晴れの空の下、約束の時間に農園を訪ねると、綺麗に整備されたビニールハウスの中、代表の榎谷紘司さんがピカピカの笑顔で出迎えてくださいました。
マルチの黒と、苺の葉の鮮緑、透明なハウスの天井から見える空の青の三色がとても美しく印象的でした。

「現在は主力のイチゴの他、直売向けにキュウリ、ナス、オクラ、ピーマン、ズッキーニ等をつくっています。白いナス等の珍しい品種も栽培し、消費者を飽きさせないようにしています。」と榎谷さんが農園の概要を教えてくれました。主力のイチゴは27aで「さちのか」と「よつぼし」を栽培しているそうです。

榎谷さんは萩市内の高校を卒業後、岡山県で水族館等の魚の管理を勉強される中、後半になって養殖業へ進まれる選択をされ、山口県旧秋穂(あいお)町の車海老養殖会社に就職されたそうです。

農家さんとしては少しユニークな経歴ですが、子供の頃からずっと「将来は農家になりなさい。」と周りから言われ続けてきたので、反抗心が芽生えてしまったのでしょうね、と笑顔で教えてくださいました。

その後、お父様が腰を痛められたのをきっかけに、イチゴ農家を継がれる決心をされますが、お父様がまだお若かったので、お父様の畑は残し、榎谷さんは自分だけの畑で生産されることになりました。

農家に進む事を決心後、まずされたのはブランディングだったそうです。
生産するイチゴをどのようにすれば思い描くマーケットに乗せられるか?綿密な計画で丁寧に進めながら目標を一つ一つクリアしていきました。

市場の先を見極め、目標を計画し、達成する為に動く。
その行動力にも秘訣が詰まっています。
対面の販売を行うことで固定のお客様を増やし、そのお客様の口コミでさらに評判が広がっていく。

勿論、ブランディングには絶対的に自信のある商品があることが必須です。
そのイチゴの秘密はどこにあるのでしょうか?

「やはり萩という場所です。他の土地の農家さんも研修に来られますが、萩独自の気候があるので、同じことをやっても同じイチゴはできないんですよ。」
と、萩独特の気候が榎谷さんを手助けしていることを教えて下さいました。
また榎谷さん自身も、毎年同じ事をして同じイチゴを作りたいけど、やれることをやったら後は自然のことなので、なかなか大変だとも教えてくださいました。

最後にこれから農家さんを目指す若い人へのアドバイスをお聞きしてみると、少し悩まれてから「頑張るな。」という意外な言葉が返ってきました。

「農家を全て1人でやろうとしたら、栽培もする、収穫もする、袋詰めもする、配達もする、営業もする、正直いつか心が折れます。どこかしらウエイトをあげたいと思った時にあげれなくなっちゃう。僕もそうなんですけど、忙しくなる前に従業員さんを雇っておくと、この人がいてくれるから大丈夫という心のゆとりを持てます、少し余裕がある内に誰かを雇っておいて、もうちょっと頑張れるかな?と常に思えた方が、気持ちが楽になる。」
と納得できる、とても的確なアドバイスを頂けました。

戦隊ヒーロー級の容姿で、ビジネスセンスが良く、先見の明があり、家族思いな上に優しい。
萩の期待のファーマーです。

これから萩は寒い季節に日々移行して行きます。
萩の冬は是非榎谷農園のイチゴをご賞味ください。

⇒体験/いちご狩り(榎谷農園)

基本情報

会社名又は個人名 榎谷農園
住所 〒758-0061 山口県萩市椿2364
電話番号 TEL・FAX 0838-22-3128
URL https://www.enokidani-nouen.jp/
販売場所 ファーマーズマーケットふれあいらんど萩、萩マルシェ、スーパーキヌヤ等

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