萩のつくり手 <第8回>
菊ヶ浜海岸のすぐ側で太陽の恵みをしっかり浴びた絶品ちりめん 「田槌商店」
萩では早起きした日、運が良ければ「たつち」のちりめん天日干し風景を見ることができます。菊ヶ浜に浮かぶ指月山(しづきやま)を背に、素晴らしいロケーションの下に広がるちりめん干し。
明治の廃藩置県後に夏みかんのご商売から始められた田槌商店。当時は夏みかん5個で、お米一升の価値だったそうです。昭和26年には今のちりめんの加工場を建設。さらに、今の店舗の前に道路ができたのがきっかけで、直売店をスタートさせました。
ちりめんは、主にどこで獲れるのですか?
田槌商店のちりめんは、主に萩市の指月山沖合から笠山の沖合までの海域で獲れるカタクチイワシの子です。店舗の近くの浜崎の市場で水揚げされたばかりの、新鮮なカタクチイワシの子(ちりめん)を、すぐに加工場に運び、洗って釜で煮ます。
モクモクと湯気の上がる釜で、次々とちりめんが茹で上げられ、煮干しのいい香りが加工場にたち込めていますね。この段階での美味しさの秘訣はありますか?
煮る時間や塩加減が大事で、これが味に影響してきます。煮た後はすぐに天日干しを行います。ちりめん製造においては機械乾燥が多いですが、うちでは天日干しにこだわっています。よく天日にあたるように、煮あがったちりめんを箸で平均にならします。乾かしすぎると固くなってしまうので、干し上がりを見極めることも大事です。
どのくらい天日干しするのですか?
風が強い時は、2~3時間程度で乾きますよ。地風ならもう少しかかるけど。天日干しが終わったら冷蔵庫で一気に冷やし、ちりめんが完成します。
私たちから見たら黒っぽいのが青っぽく見える萩のちりめんは、青口と呼んでいます。春のちりめんはよく肥えてさらに美味しいです、こちらは白っぽく見えます
機械乾燥との違いを教えて下さい。
天日干しは艶がありとても綺麗です。また、味が濃く旨味があります。是非味わってほしいですね。
ちりめんの他にも「かえり」も干されています。どのような種類のものですか?
「かえり」とは、かえりちりめんの事で、ちりめんが少し成長して大人にかえるということから、そう呼ばれるようになった名称です。田槌商店の「かえり」は、柔らかく品質が高いことから遠く関西からも引き合いがあり、ちりめんよりも「かえり」が好きというファンも多く、直売店に来られます。
これからの希望はありますか?
萩の天日干しちりめんをはじめ、地元で獲れるものを皆様に幅広く知って頂きたいと思います。ご縁が豊かであることを願っています。
今回お話をお伺いした加藤さんをはじめ、従業員の方はとってもお元気で、加工場には活気があふれていました。その秘訣は海風とお魚パワーに違いありません。
萩市の菊ヶ浜海岸のすぐ側で太陽の恵みをしっかり浴びたちりめんは磯の香りただよう絶品です。是非、田槌商店にお立ち寄りいただき、萩の極上ちりめんをご賞味ください。
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基本情報
会社名又は個人名 | (株)田槌商店 製造直売店 たつち |
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住所 | 〒758-0023 山口県萩市浜崎新町1番地9-76 |
電話番号 | (0838)22-0636 |
URL | http:///tatuchi.sakura.ne.jp/index.html |
販売場所 | HP、直売店、電話 |